最終更新日:2026/03/03
仙台・松島エリア-仙台市

日本には、縄文時代の暮らしや文化を今に伝える資料館が各地にあることをご存知ですか。
はるか昔の人びとの知恵や営みを、実際の出土品や復元された住居を通して体感できる場所は、リアルな歴史の面白さを感じさせてくれます。
縄文時代中期の南東北の縄文生活がよく分かる施設が仙台市にあります。そこは仙台市縄文の森広場。
実際の遺跡をもとに再現された集落の姿と考古学的な研究成果をあわせて紹介し、縄文人の暮らしを“生活のかたち”として学べる場所です。令和の時代に、自然とともに生きた人びとの暮らしに触れる、特別な歴史トリップへ出かけてみましょう。

【仙台市縄文の森広場について】
名取川を見下ろす高台にある約4000年前の縄文時代中期の山田上ノ台遺跡。
山田上ノ台遺跡は、昭和55年(1980年)に宅地造成に伴う発掘調査の中で姿を現しました。調査の結果、この場所は旧石器時代から縄文時代、さらに平安時代や江戸時代に至るまで、人びとの暮らしや埋葬の場として長く利用されてきた複合遺跡であることが判明しています。
なかでも縄文時代の遺構は、約4000年前にあたる縄文時代中期末のものが中心。竪穴住居跡が38軒確認されたほか、食料を保管する貯蔵穴や狩猟に用いられた落とし穴が380基以上、さらにゴミ捨て場も複数見つかり、当時としては大規模な集落が営まれていたことが明らかになりました。
こうした貴重な発見をきっかけに、遺跡の保存と活用が進められ、その成果として整備されたのが仙台市縄文の森広場です。施設は平成18年(2006年)7月15日に開館し、現在では縄文の暮らしを体感できる学びの場として親しまれています。
【縄文ムラ】

まずは屋外に広がる縄文ムラへ。
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屋外には3棟の竪穴住居が復元されています。復元にあたっては、近年の発掘調査で明らかになってきた建築方法を取り入れ、クリの木材で骨組みを組み、その上に土をのせた「土屋根構造」が再現されています。
住居はいずれも、地面を円形に掘り下げて床面を整え、その上に柱を立てて屋根を支える造りです。入口側にあたる南側の床面には、土器と大きな川原石を組み合わせた複式炉が設けられており、小石で囲まれた炉の形から当時の生活の様子を具体的に想像することができます。竪穴住居の大きさも様々で暮らす人数によって変わっているとのことでした。

復元住居(9号住居跡)

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たまたま復元住居(14号住居跡)が燻蒸中でした。

虫などから守るために、10:00~14:00まで燻蒸しているそうです。復元住居は3棟あるので毎日日替わりで行っているとのこと。

こちらは復元住居(10号居住跡)内部ですが、木の色が上下で違っていて燻蒸の跡がはっきりわかりますね。
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発掘調査では、暮らしを支えたさまざまな穴の跡が見つかっています。食べ終えた貝殻や骨などを集めた捨て場は、生活の痕跡を今に伝える貴重な手がかり。土器を焼いた穴では、中で乾燥させた土器を並べて焼かれていたようです。冬の間に食料が凍結しないように保存するための貯蔵穴は、大きいものでは直径が3m・深さが2mに及ぶものもあります。埋設土器は埋葬施設の一種で、乳幼児のお墓であるとも考えられています。そして動物を捕らえるための落とし穴は、壁が急角度に彫り込まれていて、一度入ってしまえば簡単には出られないようになっていました。こうした遺構が点在する風景は、当時の人びとの生活リズムや社会のあり方まで想像させてくれます。縄文ムラを散歩しながら縄文時代に思いを馳せるのもオススメの巡り方です。

【ガイダンス施設】
ガイダンス施設では、山田上ノ台遺跡で営まれていた縄文時代の暮らしを、住居跡の情報や出土した土器・石器、集落を再現した模型などを通して分かりやすく紹介しています。

[エントランス]
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エントランス入口付近の縄文人の顔ハメパネル

[丸木舟]
外に飾られている舟は2006年11月から2007年8月に来館された1,600名の方々が、石製の斧で丸太をくりぬいて作られたものです。
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エントランス横にはお手洗いと返却式コインロッカーが設置されております。車椅子の利用も可能です。ご利用の際は受付にお声がけください。

エントランスホール。建物1階には、約200平方メートルのガイダンス展示室と体験活動室や体験工房、トイレがあります。建物は入場無料ですが、展示室のみ入館料が必要です。
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来館記念スタンプはこちらで押してください。ミュージアムグッズもガイダンス展示室前で売っています。
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ガイダンス展示室では出土品や復元資料を通して、縄文の生活をより深く理解することができます。
券売機で入場券を購入し、展示室入口横の受付にお渡しください。
(一般200円、高校生150円、小・中学生100円)

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発掘調査の様子から、調査で分かった2万年前のくらしの跡や発見した土器と道具などを見ることができます。
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現代人の私たちからすれば、なんてことはないただの石のように見えますが、2万年前の人々にとっては大事な道具だったということを教えてくれる石器です。身近にあるものを使って、生活を便利にするという知恵が現代へと続いていると思うと、当時の人々は本当にすごいなと感心させられます。


[土器は遺跡の年代をはかるものさし]
土器は粘土を材料にしているため、年代差や地域差、用途別の違いが、形や文様に表れやすいものです。
土器は壊れやすいため、たくさんつくることが多く、形や文様の変化が早いと考えられているようです。
土器の形や模様の違いが分かりやすく、実用性と美しさを兼ね備えた造形に目を奪われますね。

[縄文ムラの周りの植物]
縄文時代、集落遺跡の周囲には落葉広葉樹の豊かな森が広がっていたことがわかっています。
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花粉も地層の土の調査で見つかるなんてすごいですよね。花粉を保護する外側の膜はかなり丈夫なようで、長い間土の中に埋まっていても外側の膜だけは化石となり土の中に残るそうです。そこから、どんな植物が生育していたのかで、どんな気候の場所で何を食べていたのか分かるのですから、花粉も当時の暮らしを紐解く重要な手がかりですね。
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パズルのように土器のかけらを組み合わせて、土器を完成させるコーナーや、土器を360度回転させて、土器の形や文様を間近で観察できる体験コーナーなどもありますので、五感を使って楽しく学ぶことができます。

じっくり学びたい人は書籍・資料コーナーもありますので座って読むこともできます。

[集落の様子を再現したジオラマ]
[縄文時代の生活の様子]
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お母さんが、木の実などを石皿や磨石を使って粉にしている様子や、お父さんが石器を使って槍の柄を作っている様子が見受けられます。


[展望休憩室]
2階には展望休憩スペースがあり、復元された縄文ムラを見渡しながらゆったりと過ごせます。(飲食可)
車椅子でも利用できるエレベーターが整備されているため、どなたでも安心して見学できます。

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復元住居の設計・制作のために構造を検討した模型も展示されています。

展望デッキに出て縄文ムラを眺めることもできます。

もっと縄文時代に興味を持った方には「縄文ワクワク体験」がおすすめ。さまざまな形で縄文時代の姿を体験することができます。
勾玉・石のアクセサリー作り、鹿の角のアクセサリー作り、縄文土器、土偶作り、火起こし、石器、つり針作り、編布作りが体験可能です。ものにより事前予約が必要になります。詳しくは公式ホームページをご確認ください。

[縄文人の生活から令和の時代に通ずるもの]
赤く採食された土器、腕輪や耳飾り、ペンダントなどのアクセサリーをはじめとして、笛や琴のような楽器、土偶や石棒に代表される祈りの道具などから縄文時代の生活が見て取れます。縄文時代から生活の一部としてあったモノ、コトは令和の私たちの暮らしではより進化を遂げてごく普通の日常でも当たり前にあります。縄文時代に大事にされていたスピリットは今の時代にも繋がっているのではないでしょうか。

自然と共に生きる価値観や資源を循環させる暮らしの知恵など、現代にも通じる視点に出会える歴史トリップ。歴史を“展示物”として眺めるのではなく、暮らしの痕跡が残る場所に立ち、その背景を学び、想像を広げる。静かに思索を深められる仙台市縄文の森広場は、歴史を身近に感じるひとときをもたらしてくれることでしょう。
〖施設詳細〗仙台市縄文の森広場
住所:宮城県仙台市太白区山田上ノ台町10番1号
電話:022(307)5665
E-mail:j-hiroba@cap.ocn.ne.jp
HP:https://www.sendai-c.ed.jp/~bunkazai/~jyoumon/
開館時間/9:00~16:45(入館は16:15まで)
休館日/月曜日(休日は開館)、1月~11月の第4木曜日(休日は開館)、休日の翌日(休日、土・日曜日にあたる場合は開館)、年末年始(12月28日~1月4日)
アクセス:車利用 東京・青森方面から→東北自動車道仙台南インターから約4km
石巻・岩沼方面から→仙台南部有料道路:山田インターから約1km
バス利用 ①県庁市役所~仙台駅~長町より「南ニュータウン」「日本平」「秋保」「茂庭台」行きにて/②八木山動物公園駅より「日本平」行きにて、いずれも「山田・太白消防署前」下車徒歩5分
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無料駐車場は第1駐車場と第2駐車場があります。第1駐車場の方が台数は多く停められますが、足の不自由な方、車椅子利用の方は段差がない第2駐車場へお停めいただくとスムーズだと思います。
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この記事のライター
元ツアープランナー&ツアーコンダクター 国内旅行業務取扱管理者、旅程管理主任者 宮城の観光記事を独自の視点から詳しく分かりやすく書くよう心がけております。 |
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