最終更新日:2022/06/08
仙台・松島エリア-仙台市
こんにちは、ライターのKaiです。 唐突ですが、皆さんはお酒が好きですか? 上質なお酒を休日にいただきながらゆっくりと過ごす――。そんな時間が大好きな筆者ですが、今回は仙台市にある「ニッカウヰスキー仙台 宮城峡(みやぎきょう)蒸溜所」を日帰りで訪問。蒸溜所見学や有料テイスティングバーの体験を通して感じた、宮城峡蒸溜所の魅力をレポートしていきたいと思います。
旅の始まりは仙山線から。緑豊かな作並方面へ
ニッカウヰスキー仙台 宮城峡蒸溜所は、仙台の奥座敷とも称される作並(さくなみ)温泉にほど近い場所にあります。
車での移動はもちろん、バスや電車を使ってアクセスすることも可能です。 普段は車移動が多い筆者ですが、今回はお酒を心ゆくまで楽しむため、電車で向かうことにしました。

仙台駅から向かう場合は、JR仙山線(山形方面行き)に乗車し、まずは作並駅を目指します。
作並駅から宮城峡蒸溜所までは徒歩で約40分かかるため、下の写真のように駅からは蒸溜所行きのシャトルバスも出ています。このシャトルバスは予約不要ですが、曜日によって運行便数が異なっていたり、臨時便が出たりする時もあるので、事前に宮城峡蒸溜所の公式サイトで時刻表を確認しておくのがおすすめです。

ちなみに、路線バスを利用する場合は、仙台駅前から仙台市営バスの「作並温泉行き」に乗り、蒸溜所の敷地近くにある「ニッカ橋」バス停で下車します。そこから敷地内までは、徒歩で約15分歩きます。
予約なしでも気軽に立ち寄れる魅力
宮城峡蒸溜所では、ビジターセンターや貯蔵庫の見学、有料のテイスティングバー、ギフトショップなどは予約がなくても利用できるので、「近くまで来たから限定のお土産を買いたい」「気になっていたウイスキーをテイスティングしてみたい」という時など、ふらっと立ち寄れるのも嬉しいポイントです。
一方で、宮城峡蒸溜所をより深く楽しみたい方には、無料で実施されているガイドツアーや、定期的に行われる有料のセミナーへの参加もおすすめ。
なお、ガイドツアーやセミナーは事前予約が必須となっているので、事前に公式サイトで確認しておきましょう。
今回は、ガイドツアーの行程を交えながら、宮城峡蒸溜所の魅力をご紹介していきたいと思います。

ガイドツアーの当日の受付はビジターセンターで行います。
ビジターセンターは上の写真左側の建物で、センター内には無料のコインロッカーが完備されているので、見学中に不要な手荷物はここに預けて身軽になりましょう。

ビジターセンター内には、ニッカウヰスキーの歩みがわかる歴史展示や、ウイスキーが作られる工程をステップごとに解説したブースが充実しています。




また、歴代のニッカウヰスキーの商品が説明板とともに並ぶブースもあり、ニッカウヰスキーが重ねてきた歴史のロマンを感じさせてくれます。

ガイドツアーで巡るウイスキーづくりの現場
ビジターセンターで受付を済ませ、予約をした指定の時間になるとガイドツアーが始まります。
ちなみに、ガイドツアーは、敷地内の見学が約50分、試飲時間が約20分の計70分になります。
ガイドツアーでは、はじめにビジターセンター内の上映室で、創業者・竹鶴政孝氏のスコットランド留学の軌跡や、宮城県に第二の蒸溜所を建てるにあたって、この地を流れる「新川(にっかわ)」の清流に惚れ込み、建設を決意したストーリーなど、宮城峡蒸溜所に込められた熱い想いを追体験できる映像を視聴します。映像で歴史を学んだ後は、ガイドさんの案内でビジターセンターから敷地内の順路へと出発!

外へ出ると、こんもりと木々が生い茂る小高い山「鎌倉山」がすぐに見えてきます(上の写真中央、奥側)。
宮城峡蒸溜所は、創業者の強い想いから、1969年の立ち上げ当初より、できるだけ周囲の自然を残して設計されたそうで、園内の木々や地面の傾斜はそのまま生かされているそう。
稼働当時から建物などは多少増えているものの、鎌倉山を背景にした美しい緑と赤煉瓦のコントラストは、当時からほとんど変わっていないのだとか。

見学ルートに現れた美しい赤煉瓦と独特な屋根の形が印象的な「乾燥棟(キルン塔)」。
こちらは現在使われていないそうですが、以前は発芽した大麦をピートでいぶしながら乾燥させ、麦芽を作るための施設だったそうです。

続いて見えてくるのは、大きな白い筒が並ぶ建物。この白い筒はサイロで、なんと1基で約200トンもの麦芽を貯蔵できるのだとか。
その手前にある直方体の建物が「ミル棟」で、ここで麦芽を細かく粉砕し、2階から横に伸びるパイプを通じて空気の力で隣の「仕込棟」へと運んでいます。

※筆者が訪問した2026年5月4日〜6月30日の期間は、仕込棟の改修工事が行われていたため、今回は以前にガイドツアーへ参加した際の写真とともに、内部の様子をご紹介します。

仕込棟では、粉砕した麦芽に温水を加えて糖化を促し「麦汁(ばくじゅう)」を作り、そこからさらに酵母を加え、発酵させて「もろみ」と呼ばれる発酵液を作る工程が行われていて、並んでいる機器はどれもメタリックで重厚感たっぷり。


ガイドさんの解説で特に驚いたのが、「発酵の時点までは、ウイスキーとビールの製造工程はほぼ同じ」ということ。原材料にデンプン質が豊富な「二条大麦」を使用している点も共通しており、途中の工程からそれぞれの作り方へと枝分かれしていくのだそうです。

仕込棟で作られたもろみは、続いて上の写真の「蒸溜棟」へと送られます。 ここでは、「ポットスチル(単式蒸溜器)」と呼ばれる大きな銅製の釜で、もろみを2回蒸溜するとのこと。宮城峡蒸溜所のポットスチルは、胴体部分がぷっくりと膨らんだ「バルジ型」という形が特徴です。

ここで目を引くのが、ポットスチルの首元に飾られた立派な「注連縄(しめなわ)」。
その由来について、ガイドさんが説明してくださいました。創業者の竹鶴政孝氏が広島の造り酒屋の三男として生まれ、日本酒づくりの現場を敬いながら育ったことから、日本酒を造る酒蔵で注連縄を飾る伝統が、洋酒づくりの現場にも受け継がれているのだそうです。
そうした話を聞くと注連縄ひとつとっても、ニッカウヰスキーの歴史と創業者のルーツが息づいていることが伝わってきました。
ここで蒸溜された無色透明な蒸溜液(ニューポット)は、アルコール度数が65%前後。これに新川の伏流水を加水し、貯蔵に最適な63%に調整した上で貯蔵庫へと運ばれるそうです。

棟内には、この生まれたての「ニューポット」の香りを実際に体験できるコーナーもありました。

蒸溜棟を離れ、緑豊かな道を戻るように進むと、案内されるのが上の写真の「貯蔵庫」です。 薄暗い空間の中、ウイスキーを育てる樽の製造方法や、樽の中で何年もの歳月をかけてゆっくりと琥珀色へと深まっていくウイスキーの色の変化が、わかりやすく展示されていました。


お待ちかねの試飲タイムと、至福のテイスティングバー
貯蔵庫の案内が終わると、ギフトショップやテイスティングバーが入る建物へ移動し、いよいよお待ちかねの試飲タイム! ガイドさんから試飲についての説明(制限時間20分など)があった後は自由解散となり、自分のペースで楽しむことができます。
試飲会場はガイドツアー参加者専用の特別なブースとなっています。 この日提供されたのは、ニッカウヰスキーが誇る「アップルワイン」「スーパーニッカ」「シングルモルト宮城峡」の3種類。氷を入れてロックで味わったり、水割りやハイボールにしたりと、自分好みのスタイルで自由に堪能できます。
なお、ドライバーの方やアルコールが飲めない方には、ソフトドリンクが用意されているので安心です。 ブースには、おいしいハイボールの作り方やアップルワインのおすすめの飲み方などをまとめた解説板もあるので、ぜひ試してみてくださいね。

試飲を楽しんだ後は、同じ建物内にあるギフトショップや有料のテイスティングバーへ。 ギフトショップには、ここでしか手に入らない宮城峡蒸溜所限定のウイスキーをはじめ、ニッカウヰスキーが手掛けるジンやウォッカ、おつまみにぴったりのお菓子やかわいいお土産小物が多種多様に並んでいます。



そして、お酒好きの方にぜひ立ち寄ってほしいのが、有料の「テイスティングバー」。 宮城峡や余市などのシングルモルトをはじめ、ピュアモルト、グレーン、ブレンデッド、ブランデーなど、ニッカが誇る数多くの製品を味わえる贅沢なブースです。

どれを飲むか目移りしてしまうほどで、「一度と言わず、二度、三度と足を運びたい!」と思わせてくれる至福の空間でした。

宮城峡蒸溜所では、こうしたガイドツアーのほかに、定期的にウイスキーの比較試飲やブレンド体験などの特別なイベントも開催されています。皆さんもぜひ、仙台の美しい自然と清流が育むウイスキーの聖地へ、ふらっと「大人の休日」を過ごしに出かけてみませんか?
施設名:ニッカウヰスキー仙台 宮城峡蒸溜所
住所:宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
TEL:022-395-2865(受付時間 9:00〜16:00)
駐車場:あり
営業時間:
ビジターセンター・貯蔵庫:9:00〜16:00
ギフトショップ:9:15〜16:15(最終入場 16:00)
テイスティングバー:9:15〜16:15(ラストオーダー 16:00)
公式HP:https://www.nikka.com/distilleries/miyagikyo/
公式X:https://x.com/nikka_miyagikyo
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この記事のライター
宮城県在住。自然や旅をテーマに取材・執筆を行う元旅行会社勤務のライター。
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