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石巻・牡鹿で体感する鯨文化。巨大骨格標本とご当地クジラ料理を巡る旅

最終更新日:2026/07/23

季節
1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月
市町村
三陸エリア-石巻市
目的
歴史・文化-博物・資料・美術館/体験観光-歴史・文化/食・土産-郷土・名物料理

 

石巻市の東端に位置する牡鹿半島には、古くから捕鯨文化が受け継がれてきた、くじらのまち「鮎川浜」があります。

 

「鮎川の捕鯨か、捕鯨の鮎川か」と言われるほど、鮎川は捕鯨の町として栄えました。

 

最盛期には世界一の捕鯨頭数を誇り、3つの大手捕鯨会社が拠点を構えていました。

メインストリートには「東洋一」と呼ばれたキャバレーをはじめ、旅館や映画館、芝居小屋が立ち並び、大いににぎわっていたそうです。

 

当時、鮎川を訪れた作家・坂口安吾は、「牡鹿半島の突端には都会の風が吹いている」と記しています。

 

今回は、そんなくじらのまち・鮎川を訪れ、捕鯨文化やクジラ料理の魅力をご紹介します。

 

ホエールタウン おしか

 

 

JR石巻駅からバスで約1時間30分。牡鹿観光の拠点となる「ホエールタウンおしか」に到着しました。

 

 

看板の隣には捕鯨砲が設置されており、捕鯨の町ならではの雰囲気を感じられます。

 

 

 

鮎川港からは、猫島として親しまれる田代島や、金運のパワースポットとして知られる金華山へ向かう船も運航しています。

 

第16利丸 捕鯨船

 

 

捕鯨船前広場には、シンボルとなっている捕鯨船「第16利丸」が展示されています。

第16利丸は、1958年に大洋漁業株式会社が建造した最新鋭の大型高速捕鯨船です。

初代砲手は「日本一の名砲手」と称された泉井守一氏で、優れた成績を残したことから、捕鯨船乗りの憧れの船として語り継がれています。

 

 

 

観覧時間内であれば船内を見学することもできます。

印象的だったのは、緑色の床や青い船内の壁です。鮮やかな色合いが残されており、当時の様子を想像しながら見学を楽しめました。

 

 

号鐘は本来、安全な航海のために設置されるものですが、第16利丸が建造された当時は、

機械類の発達によって実用的な役割はほとんどなくなっていたそうです。

 

それでも、古くから受け継がれてきた伝統を大切にする意味を込め、装飾として取り付けられたそうです。

時代の移り変わりの中でも受け継がれてきた文化を感じられる展示でした。

 

 

 

船の先では、捕鯨砲も見ることができます。

捕鯨砲は、海面に浮かび上がったクジラに向けて銛を発射するための火薬砲です。

捕獲するクジラのサイズによって銛の大きさが分かれており、大型捕鯨船では90mm砲と70mm砲が使用されていました。

第16利丸には、90mm砲が搭載されています。

 

 

船上からは、切り立った岩肌と深い緑に覆われた海岸線を望むことができ、牡鹿半島ならではの雄大な自然も楽しめます。

 

 

 

公園には、クジラのオブジェクトも展示されています。

下から見上げると、まるで海の中を悠々と泳いでいるように見えます。

 

おしかホエールランド

 

 

続いて訪れたのは、巨大なクジラの骨格標本が展示されていることで知られる「おしかホエールランド」です。

館内では、クジラの生態や、牡鹿半島に受け継がれてきた鯨文化について学ぶことができます。

 

入館して最初に目に飛び込んでくるのが、巨大なマッコウクジラの骨格標本です。

その迫力に思わず圧倒されました。

 

 

下から見上げると、左右にアーチ状に広がる肋骨が印象的です。

一本一本が大きく、普段目にすることのないクジラの体の構造を間近で観察できます。

 

 

クジラの展示コーナーでは、クジラのヒゲや骨に実際に触れられる体験展示も用意されています。

 

 

クジラの生態について紹介するコーナーもありました。クジラは大きく「ヒゲクジラ類」と「ハクジラ類」の2種類に分類されます。

驚いたのは、イルカもハクジラ類に分類され、生物学的にはクジラと同じグループに属しているということです。

 

 

世界中の海で暮らすクジラですが、一年中同じ海域で生活するのではなく、季節に応じて海を移動しながら暮らしています。この行動は「回遊」と呼ばれています。

種類によっては、目的に応じて1万キロ以上も移動するとされており、その壮大なスケールに驚かされました。

 

 

奥には、コククジラの骨格標本も展示されています。

 

 

捕鯨で栄えた鮎川浜の歴史年表も展示されています。クジラとどのように関わりながら町が発展していったのかを学ぶことができます。

最盛期の繁栄から、捕鯨規制による転換期まで、鮎川の歩みを知ることができる興味深い展示です。

 

 

牡鹿の捕鯨文化は、1906年に下関市の捕鯨会社「東洋漁業株式会社」が鮎川へ進出したことから始まりました。

金華山沖は古くからクジラが集まる海域として知られ、捕鯨活動の拠点を置くのに適した場所でした。

 

東洋漁業株式会社は、当時最先端の捕鯨技術を導入して成功を収めました。

その後、この成功を追うように国内各地の捕鯨会社が鮎川へ進出し、日本有数の一大捕鯨基地へと発展していきました。

 

 

1950年代に入ると捕鯨産業は好景気を迎え、1960年前後には日本の南氷洋捕鯨が最盛期を迎えました。

捕鯨頭数は世界一を記録し、鮎川は捕鯨のまちとして大きく発展しました。

 

当時、鮎川には3つの大手捕鯨会社があり、昼夜を問わず解剖作業が行われていました。

湾内には大型の捕鯨船がひしめき合い、金華山や離島を結ぶ客船もひっきりなしに発着するほどのにぎわいだったそうです。

 

メインストリートには映画館や芝居小屋、「東洋一」と呼ばれたキャバレーも立ち並びました。

当時、鮎川を訪れた作家・坂口安吾は「牡鹿半島の突端には都会の風が吹いている」と記しており、その言葉からも当時の華やかな街並みがうかがえます。

 

1970年代に入ると、鮎川の捕鯨は転換期を迎えます。

 

環境保護運動の一環として、捕鯨反対派の動きが強まり、1982年(昭和57年)にIWC(国際捕鯨委員会)は、販売を目的とした「商業捕鯨」の一時停止を決定しました。

当初、日本は異議を申し立てましたが、最終的にはこの決定を受け入れ、その後は資源管理のための科学調査を目的とした「調査捕鯨」へと移行しました。

 

こうした時代背景を経て、鮎川の捕鯨は「商業捕鯨」から、資源管理のための科学調査を行う「調査捕鯨」の最前線へと役割を変え、

同時に地域を支える観光資源としての役割も担うようになっていきます。

 

2019年(令和元年)6月30日に日本はIWCを脱退し、翌7月1日、31年ぶりに商業捕鯨を再開しました。

日本近代捕鯨開幕の地である鮎川は、再び新たな時代を迎えたのです。

 

このほかにも、迫力ある映像シアターや、実際に捕鯨で使われていた道具など、ここでは紹介しきれないほど多くの見どころがあります。

鯨文化の歴史や魅力をより深く知りたい方は、ぜひ現地で体感してみてください。

 

海鮮レストランなぎさ

 

 

おしかホエールランドの隣にある観光物産交流施設Cottu内の飲食店「海鮮レストランなぎさ」を訪れました。

地元で味わえるクジラ料理はもちろん、金華山沖で水揚げされた新鮮な魚介を使った定食をはじめ、仙台名物の牛タン、中華そば、カレー、丼ものなど、幅広いメニューがそろっています。

 

ミンク鯨刺身定食

 

 

今回注文したのは、ミンク鯨刺身定食です。

鮎川を訪れたからには、クジラ料理はぜひ味わっておきたいと思い、注文してみました。

 

 

気になる味ですが、淡白ながらも肉厚で、噛むほどにうま味が広がります。

クジラ肉は脂質が少なく、醤油との相性も抜群。程よい塩味が加わることで、ご飯がどんどん進むおいしさでした。

 

小鉢のわかめは、磯の香りが豊かで、しっかりとした食感が印象的。程よい塩味で、ご飯との相性も抜群です。

思わずご飯をおかわりしてしまうほどのおいしさでした。

 

クジラ料理に加え、新鮮な海の幸も堪能できる満足度の高い定食でした。

牡鹿を訪れた際は、ぜひ味わってみてください。

 

 

Cottu内では、金華山や猫の島として有名な田代島、東北のハワイとも呼ばれる網地島への乗船券も販売されています。

島旅とあわせて訪れる場合は、運航日や時刻を事前に確認し、余裕のある旅程を組むのがおすすめです。

 

 

金華山黄金山神社は、「3年続けてお参りすれば一生お金に不自由しない」と伝えられており、日本屈指の金運のパワースポットとして多くの観光客が訪れています。

 

 

ホエールタウンおしかは、巨大な骨格標本やクジラ料理を通して、牡鹿の鯨文化を体感できる施設です。

周辺の金華山や田代島、網地島などもあわせて巡り、牡鹿ならではの自然・歴史・食を満喫する旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

 

 

基本情報

 

・ホエールタウン おしか

住所

〒986-2523

宮城県石巻市鮎川浜南43-1

 

・第16利丸

観覧時間:

9:00~16:00(4月〜10月)

9:00~15:00(11月〜3月)

休館日:水曜日(水曜日が祝日にあたる場合はその翌平日)

観覧料:無料

 

・おしかホエールランド

開館時間:9:00~16:00

休館日:水曜日(水曜日が祝日にあたる場合はその翌平日)

入館料:

大人400円 (360円)

大学生・高校生300円 (270円)

中学生・小学生200円 (180円)

【未就学児無料】

※( )内は団体(20名様以上)1名当たりの料金

※ お支払いは現金のみ対応

 

・観光物産交流施設 Cottu(こっつ)

開館時間:8:30 〜 17:00

休館日:年中無休

 

・海鮮レストランなぎさ

営業時間:11:00~16:00(ラストオーダー 15:00)

定休日:水曜日

席数:30席

 

交通:JR石巻駅からミヤコーバス鮎川線で1時間30分、終点下車すぐ/三陸自動車道石巻河南ICから車で50分

駐車場:94台

 

 

 

 

この記事のライター

 

ニックネーム/たびめし

仙台市在住。旅と食を軸に各地を巡りながら記録するのが好きです。 

noteでは「仙台で世界一周グルメ旅」として、地元で味わえる異国料理を紹介しています。

趣味:食べ歩き、筋トレ、海外旅行

 

 

 

 

 

 

 

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